昔は良くても今となっては話は別。時代で変わる価値観が引き起こす”「通行・接道」権利問題”

豆知識、少しずつですが見ていただける人がいるようで、続けていきたいと思います。
この豆知識のコーナーでは、土地さがしの際に知っておいたら色々有利に物事が進む、少しは知っておいてほしい”不動産のちょっとした知識”について、私、ユーラップ の代表・藁科がお伝えします。

今週はまず、今週は「接道(せつどう)」に関わる問題、権利関係の事。

一戸建・土地購入の時押さえて置きたい「接道義務」

不動産の資料のなかに、

「道路幅員○m接道○m

という表記があるのをご存知ですか?
こういった記載があるんです。見た事がある方は「ああ、あれか」と思って聞いてくださいね。

これ、結構重要ですよ。

実は、数日前かれこれ10年がかりで、弁護士をたててこの接道要件を解決する事になった
“2mされど2m”案件というのがあります。

昔から「前面の家の土地を通って」公道に出る、いわゆる袋地(囲にょう地:イニョウチ)という形の土地です。

今日現在新たに作られる分譲地などではまず起こらないケースだと言えますが、これは昔に土地が整理・分割された時代に遡り因果関係が発生するお話です。

建築当時、あるいは住み始めた当時は周囲のご近所さんと関係は良好でも・・・。
時が経ち、土地の所有者が代変わりなどして行くのはあたりまえのことですが、その所有者が「いざ売却しよう」とする時に、こういった問題はよくあるケースなんです。

次の話は、その”よくあるケース”の中で起こったこと

昔は良かった人間関係がよかったとしても今の話は別。時代で変わる価値観が引き起こす権利問題

前提のおはなし

先祖代々、その土地に住み公道に接している土地を持つ前面のお宅Aと、
A宅の先祖より「公道から奥まった土地」を分けてもらった後ろ側のお宅Bのお話です。

B宅は、基本的にはA宅の敷地内を通り、公道へ出てよい「通行権」というものは土地につく権利としてもっていました。

AもBも昔はお隣近所さんとして仲良くその土地に住んできたものの、B宅の権利者はその土地で住まなくなり、権利は持った状態のまま別のところで住んでいました。

当然ながら現在となってはABともどちらも先祖から代替わりし、現在の土地の権利者はAもBも当時と変わってしまって別人という状況です。

昔のことはさておき「現在の感覚」で権利の主張を切り出すBと、受け入れられないA

Bの土地の所有者は現在別のところに住みながら、A宅の奥地(囲にょう地)の権利を所有しているため、固定資産税がかかっています。

手放したいと思いましたが、「現在の建築基準法」の要件としてある、
”2m公道に接道すること”がクリアできていない物件であるため、値段がつきません。

Bの現在の権利者は「通行権を持っている」という点と「2m接道しなければならない(できる権利)」という点から、”Aの土地の一部を分割して無償で提供してもらうこと”を権利として主張しはじめました。

Aの現在の権利者は急に無償で「先祖代々守ってきた土地を分けてよこせ」と言われたもので、頑なに受け入れることを拒みます。

Aの主張としては「通行権はあくまで”通っていいだけ”の権利」として土地をタダで分け与える話とは別。取得したいのならば相応の対価を要求するというものです。

・・・この主張は私が関わってから約10年、決着がつきませんでした。
弁護士も間にはいっての交渉が長らく続き、近頃ようやく収束を迎えました。

最終的には、B側が「お金をかけてでも接道確保する」という事でおさまった、というわけです。

まとめ

最終的にはお金で解決される事になったのですが、解決までには計り知れない苦悩や、時間を要することになってしまった問題です。

当然の権利(通行権)を主張する者Bと、そう簡単に土地を分けることなどあり得ないというA、どちらにとっても人には計り知れない苦悩の時間を持つ事になった案件です。

物件を購入する時には、
幅員4m以上の道路に幅員2m以上接していなければ、建築確認を受けられない事に注意して下さいね。

では、また来週。