「共有名義」の落とし穴


今回は「共有名義」について。
実際にあった”とある相談を受けた時”のお話をしたいと思います。

ある日、数年前に土地売買でお手伝いさせていただいたご夫婦が来店されました。

お二人揃って来られたので「もしかして、引越しの相談かな」と思い話を聞いてみると”まさかの離婚話”でした。

二人の話は冷静だったので、話し合った末の二人の結論かと理解しました。そして私は”不動産屋の立場”としての話を聞く流れとなった訳です。

お話を伺う中で当時、単独で購入する資金がなく二人で力合わせ資金を出し合い土地を共有名義にした事が思い出されました。
(共有名義:お互い資金を出し合い、所有持分を二人、など”複数の持分”とする不動産登記の仕方)

当時は、メリットとして、住宅ローン控除をそれぞれ受けられるとか、売却の時に「特別控除を二重に受けられる」とか税面のメリットしか考えられなかった訳ですが、
夢の家の”所有者が共有”であった事でたいそう複雑な問題を含んでくることになったとは、当時では思いもよせなかったことでしょう。

住宅ローンの融資条件から外れ…返済 or 別の融資?担保?

整理の流れ、ポイントとしてはご主人が住み続ける希望を持っていたので、

1:ご主人が奥さんの土地の持分を買取る

2:住宅ローンの抵当権が担保されている条件問題が発生
当時の融資条件とこの数年間の動きに差があり、融資条件に当てはまらなくなった(車のローンができた、職場変更があった、など)ため、2人の収入の根拠が崩れ、返済融資の担保が必要になる

3:別担保としてご主人の実家を担保に

共有名義で住宅ローンを組んで不動産を取得した場合、金融機関としては夫婦双方の収入源を考慮して借り入れの可否を審査する為、安易に認められない&債権を買い取っておしまいというわけにはいかないものなんです。

避けたかったのですが、結局御主人の”ご実家の不動産を担保に入れる”事で、金融機関との合意が得られました。

最終的には当日銀行の『実行日』と『離婚の日』を同時に行うことととなり、不動産屋の私は「仲介」と同時に「離婚立会人」になった…という訳です。

並んで淡々と署名、捺印と事務的に行なっているお二人の姿を傍で見ていると、数年前に”夢の住宅に協力し合っていた時の二人”を思いだされたのですが、

何の言葉もかけられず、その時を終わりました。

マイホームで不動産を手にする時、それはお互いの気持ちが一番強く結ばれている時であり、お互い同じ方向を見ているのは当然として「不動産を共有名義にすることについてそこには何の問題ない」のですが。。

こんなやっかいなことが生じる可能性があるため、不動産取得の際にはよく検討したうえで名義を決定しましょう。

では、また来週。